分割払いの理由

 

とある信販会社の人と知り合いになった。

 

クレジット(ローン)を組む業種や売れ筋の最近のトレンドを尋ねてみると面白い回答が返ってきた。

 

「株価が18000円を超えてから顕著にクレジットの件数が増え始めたんです」

 

「ベンツをはじめとした高級車やロレックスなどの高級時計、変わりどころとしては呉服屋さんや貴金属販売も目立って件数が増えてますよ」

 

景気が良くなってベンツやロレックスが売れるのはわかる。でも、株価が上がってであれば、株式の売却益で現金支払いになるのでは?と尋ねると、

 

「気持ちが大きくなるんでしょうね。心理的な側面が強いんだと思います」

 

「そっかぁ、そんなもんかぁ」

 

と思いながら更に驚いたのは大学の授業料も信販会社が分割払いを受け持つようになったという話。

 

歯科大学では半期で800万もの費用を全てローンで支払う人も少なくないという。

 

歯医者さんはお金持ちで、歯医者さんになろうとする人たちもお金持ちゆえに分割払いなんて・・・というのは遠い昔話のよう。

 

そう言えば、昨今の歯科医の過剰供給は想像を超えていて、首都圏では5人に1人が年収300万以下でワーキングプアという話を聞いたことがある。

 

逆に、東南アジア諸国では消費活動も活発になっていて信販会社の進出も積極的になっているらしい。

 

特にベトナムはホンダや双日についていくことで現地のクレジット開拓もどんどん進んでいるという。仕事も住環境もたいへんではあるものの、未開拓の地で思う存分仕事に励め、信頼関係が築け、面白いように成果が上がるというのはさぞかしやりがいがあるに違いない。

 

かつてアジアの国々に与えた損害、損失を少しずつ分割払いで返していかなければならない。