当たり前の日常

  

前を見て、足元に気をつけて歩く。
 
 
脇目も振らず、一心不乱に、我武者羅に頑張る。
 
 
それを否定するつもりはないけれど、
 
 
時には、ゆったり座り、周りを見渡してみるのもいい。
 
 
常に動いていることで見えないもの、気づけないことに気づくことができるから。
 
 
自分が止まって初めて身の回りにあるもの、周りで動いているものに意識を向けられるから。
 
 
スターバックスの椅子に座り、カウンターの横にあるショーウィンドウを何となく眺めていた。そこには様々なサンドイッチやケーキやスコーンが並び、注文に応じて店員さんが丁寧にトングで取り出してはお皿に置いたり、袋に詰めたりしていた。
 
 
後ろの棚にはコーヒー豆の入った袋が並んでいる。
 
 
これまで数え切れないほど見てきた風景がなぜだか新鮮に感じられる。
 
 
カウンターには美味しいコーヒーと暫しのくつろぎを求めていろんな人がやってくる。
 
 
無表情な人がいれば、楽しそうな人もいる。しかめ面の人もいれば、笑顔の人もいる。悲しいことがあったのかなという人もいれば、真剣な表情を浮かべている人もいる。
 
 
一人ひとりが問題や課題を抱えながら、
 
 
それでも楽しみを見つけながら日々の生活を送っている。
 
 
想いはパリへ流れていく。
 
 
こんな当たり前の日常がありがたいと思った。