問答ゲーム

 
小学校3年生の娘の授業参観をした。
 
 
今回の授業テーマは「ピクトグラム」。いわゆる図像や絵文字と呼ばれるもので男子トイレ女子トイレのマークや非常口マークが有名だ。2020年東京オリンピックまでに利用を広げる動きがあるらしく、今回の授業は子ども達が思い思いに作ったピクトグラムを一人ずつ発表するというものだった。
 
 
「これは何だと思いますか?」
 
 
3、4人がグループになって教室の前に立ち、一人ずつ自分で作ったピクトグラムをクラス中の友達に見せながら尋ねる。
 
 
「本をきちんと並べるぅ」「廊下は走らない!」「花を摘まない」・・・
 
 
座っているクラスメートが思ったことを次々に口にしていく。
 
 
娘のピクトグラムは「ぶつかり注意」。廊下を走らない、角を曲がる時は特に気をつけるというもの。下書きは上手に描けていたのに画用紙に描いた本番はイマイチで誰からも正解は出てこず、結局自分で解答を伝え、その理由を解説した。
 
 
一人ひとりの独創性や発表に感じるところはあったものの一番印象に残ったのは、授業の「余りの時間」でしたこと。 
 
 
一通り発表が終わって、時計を見ると3、4分残っていた。
 
 
担任の先生はすかさず「3、4分余っているのでこの1年間してきた『問答ゲーム』をしたいと思います。お題を考えられる人ぉ?」そう言うとクラス中で手が上がる。一人が当てられると立ち上がり「今日のピクトグラムで一番よかったもの」。
 
 
先生が返す。「いいですね。では、前に貼ってある一人ひとりが考えたピクトグラムのどれが一番よいか、その理由と合わせて発表してください」。
 
 
今度は子ども達が一斉に手を上げる。当てられた人が答える。
 
 
「僕は、○○さんの○○がいいと思います。なぜなら、絵がとても上手だからです。2つ目の理由は、実際に教室内でその問題がよく起こっているからです。3つ目は、僕もつい○○をしてしまうけど、これがあったら注意してしなくなると思うからです」
 
 
問答ゲーム
 
 
自分の考えをきちんと伝え、その理由をはっきりと説明する。まさに21世紀型スキルの一つだ。その後も幾つかお題が上がり、思い思いの答えが飛び交っていた。お題も回答も理由も思わず笑みがこぼれたり、眉をしかめるものもあったけれど、8歳、9歳からこうした練習をするのは素晴らしいと思った。
 
 
昨日のブログの最後もそのように自分の考えを述べ、3つの理由でバックアップしたつもり。(反応がなくても
 
 
道のりは決して楽ではないし、時間もかかるだろうけれど、こうした地道な練習を続けていくことこそが、一人ひとりの力を上げ、日々の生活をより良いものにしていくはず。
 
 
そして、
 
 
その積み重ねが全体としての民度を上げ、国力を高め、また、世界市民としての意識を高めることになる。