仕事上の肩書きもそれを支える実績も全く意味のない世界に身を投じる。
裸になる
そんな経験の貴重さと意義の深さをある人が滔々と語っていた。
家族も友人も職場の知り合いも全てこれまでの経緯を踏まえた上で関係性が成り立っている。
自分でもその前提を意識しつつ関係性や距離感を加味しながらコミュニケーションを取る。
それが大人の関係であり、組織や社会を円滑に廻す秘訣と信じて。
それに対してその友人は言う。
日頃の生活は、家族や職場の過去の積み重ねがあたかも下着や上着やコートを身につけるのと同じように厚着になっていて、裸になる心地良さがすっかり忘れられていると。
裸になってシャワーを浴びる。
裸になってベッドに入り、眠りにつく。
その心地良さを忘れていると。
我々は知らないうちに身動き取れないほどの厚着をしている。
裸になって初めて、自分がどれだけ無意識のうちに自分を守ろうとしているのか、隠さなければならないことが増えているのか、に気づくことになる。
裸になる勇気を持ちたい。
裸になればいい。