一瞬を切り取る ー歩くー

 

今年の月一企画「一瞬を切り取る」の4回目は「歩く」にフォーカスしてみよう。

 

我々は普段何気なく歩いている。

 

右足を前に出して次に左足を前に出す。進んでいく。

 

それだけ。

 

スピードは必要に応じて調整するけれど、歩き方を意識することはほとんどない。

 

自分がどのように右足を出すのか? 踏み降ろすのか? 膝の使い方は? 足首の位置は? 着地時に靴のどの部分が先に着いているのか? 体重移動はどうなっているのか?

 

そんなことはいちいち考えない。

 

それでも人型ロボット開発で最も苦労することの一つが二足歩行なのだという。

 

人が当たり前のように行っている動作は驚くほどたくさんの細かなプロセスとバランスの上に成り立っている。

 

胸を張り、体重を頭の先から背骨を通し、尾骶骨を渡って踵で受け止める。

 

徐ろに右足を出し、踵から下ろし、足裏の外側から前に体重をかけ、親指でしっかり踏み込み蹴り上げる。

 

その作業の途中、左足を同じ順序で回していく。

 

普段より少し大きく両腕を交互に振る。

 

視線は真っ直ぐ前に腰椎を真っ直ぐ立てたままスタスタスタっというイメージで歩いていく。

 

颯爽と。

 

風を切って。

 

 

一瞬を切り取る -呼吸- 

一瞬を切り取る -髭剃り-
一瞬を切り取る -おにぎりを食べる-