「お金持ち」という遊びがある。
その始まりはエアコンが突然動かなくなった瞬間、吹き出し口から一万円札がドォッと吹き出してきたところから始まるという。
お風呂の吹き出し口からは無数の宝石が永遠に吐き出され続ける。
遣いきれないほどのお金をどうやって遣うのか、それを考えて、世界を、宇宙を、次元を超えて自分の世界を拡げる会話遊び。
いつの頃からかうちの息子と娘が二人で考えて遊び始めた。
娘曰く、自分は今、超高層ビルの最上階に住んでいて、お兄ちゃんは3.73次元(3次元と4次元の間)に、両親は別の惑星で静かに暮らしているという。
空想力を試されるゲームであることは間違いない。
それとは別に、
現実の世界を生きるのにも同じような熱意を持つ日を気長に待っている。