分進日歩の進歩が変えるもの

 
生きることが空気を吸うように簡単だった時代はいつの間にか終焉を迎え、再び生きることに必死にならなければならなくなってきた。
 
 
ISの台頭により中東情勢が大荒れになるとヨーロッパを向けて難民が押し寄せた。最初は寛大だった国々もマイナス面が大きくなるにつれ反対意見が多くなり、ついにはブレグジット、トランプ政権、マクロン政権の誕生を招くことに。盤石と思われたドイツメルケル政権も先の総選挙では急進派に多くの議席を奪われ、今後の政権運営に暗い影を落とすこととなった。
 
 
東アジア情勢も北朝鮮のミサイル問題を筆頭に世界の火薬庫の様相を呈してきている。中国共産党の習氏の長期政権化が地域の安定化に貢献すると考える人はいない。むしろ、経済力、軍事力、世界の工場から世界一のマーケットになることで中華思想復権、膨張に繋がり危険性が増すとする見方の方が優勢だ。
 
 
20世紀の終わり、インターネットが普及し始めてからの科学技術の進歩は凄まじい。
 
 
あらゆる分野で日進月歩ならぬ分進日歩の進歩が続き、幾何級数的にスピードを上げてきている感さえある。
 
 
その変化に対応するように人々の生活も恐るべきスピードで変わりつつある。
 
 
この、人類始まって以来のスピードで変化する日々の生活、社会、世界についていくことを考えると心が重くなる。
 
 
それよりは分進日歩の進歩を楽しもうとする気持ちで臨む方が幾らかマシな気がする。
 
 
 生きることに必死になるよりも新しい技術やそれを使いこなすことで人間の能力を広げたり、人間同士の結びつきを強くしたりすることで不安定な世界を少しは安全な場所に変えていけるのではないか。
 
 
分進月歩の進歩が変えるもの
 
 
世界的な政情不安が蔓延る中、一筋の希望の光を感じた。
 
 
この左腕に付いているものを感じながら。