“Elephant in the room” (部屋の中の象)という表現がある。
おかしなことがあっても誰もそれを指摘しない状態を指す。
見て見ぬふりをしたり、気がついてもどうしようもないから放置したりしている状態。
日本では上下関係の中で「部屋の中の象」状態が起こりやすい。個人よりも全体を優先させるマインドセットがあることに加え、人間関係を壊さないようにするドライブが知らず識らずのうちにかかってしまうから。
普通に考えると、部屋の中に象がいたら誰もが困るだろうし、他のことができない状況で誰も問題を指摘しないのは異常と言える。
そんなことはあり得ない、と思いつつも部屋にいるのが、例えば、象ではなく、キリンだったり、亀だったり、蟻だったら(でもいっぱいいる)どうだろう。
本当は違和感以外の何物でもないのに、それが当たり前になってしまったら本来あるべき姿さえもわからなくなってしまうということはないだろうか。
まずは自分がそんな状況に陥っていないか初心に帰って見つめ直したい。
次にすべきは、新しい人が部屋に入ってきた時におかしな表情を浮かべていないか、を確認すること。
変な表情を浮かべた人が「どうしてここには象/キリン/亀/蟻)がいるんですか?」と尋ねられる雰囲気があるか、を公平に見極めること。
新しい自宅に象はいないけれど、ダンボール箱はまだまだ残っている。
ゴールデンウィークは今日で終わりだけれど、あるべきでないものがそこら中にあるのが当たり前にならぬよう残りの箱も一つひとつ片付けていきたい。