「穴倉の熊べえ」の異名を持つその男はマツダの社員だった。
有能なエンジニアである彼が全く異なる世界でその名を轟かせたのはよくある会社の多角化がきっかけ。
元々農学部出身の彼は会社の号令もあって学生時代に研究していたゴボウを商品化をしようと決意を固める。
花形だったエンジンの開発部署から一人でゴボウの商品開発に明け暮れる日々が始まった。
数ヶ月が経ち、ようやく納得のいく商品ができた日に彼が向かったのは広島県呉市にある漁港。
沢山の新商品とお酒が積み込まれたトラックのまま大きな船に入って行く。
彼の狙いは漁師が仕事終わりに飲む時間帯だ。
穴倉の熊べえは、腕っ節の強い漁師たちが大漁を祝って酒を酌み交わす瞬間を待ってましたとばかりにお酒とゴボウの新商品を出す。
すると、これが大好評!
漁師の間で大当たりとなった新商品は瞬く間に大人気となり、世の中に広がっていき、マツダの売上増と多角化に貢献するまでとなる・・・
そんな夢を見た。
あまりにリアルで示唆に富む夢に思わず起きてからメモってしまったほど。
漁師たちの酒のつまみというニッチでピンポイントなターゲティング(マーケティング)戦略の妙を何とか真似できないだろうか。