砂を噛む

 

これ以上進めない、もうダメだと思う時がある。

 

自己嫌悪に苛まれ、諦め、寛容さを失い、誰彼問わず当たり散らしたくなる時がある。

 

他人に打ちのめされ、ガラス細工のような希望を打ち砕かれ、暗黒の中で素っ裸で地面に叩きつけられる。

 

地面に頰をつけ、しばらくの間、口の中に入った砂を噛む。

 

腹の底から込み上げてくるものと混ざり合う。

 

グッと堪え、

 

奥歯を噛み締め、

 

力に変える。

 

この砂の味を忘れない。