今日の日本経済新聞の記事に目を吸いつけられた。
宇宙飛行士、文系も応募可能に JAXAが条件緩和
2021/2/18 15:30 [有料会員限定]
ISSで作業する宇宙飛行士の野口聡一さん=JAXA・NASA提供
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は13年ぶりに募集する宇宙飛行士の応募条件を緩和する。これまで理系の大卒以上などとしていた条件をなくし、文系にも門戸を開く方向だ。将来の月面活動を見込み、多様な人材を募集する。文部科学省とJAXAは2021年秋に宇宙飛行士候補を新規に募集する。募集は08年以来だ。前回は応募条件を、理系分野の大卒以上の学歴に加えて、研究開発や運用などの実務経験が3年以上必要などとした。
今回は学歴や実務経験の分野を問わず文系でも応募できるよう検討する。3年以上としていた実務経験の条件も自然科学系の職種に限らない方向だ。具体的な条件は今後詰めるが、文系にも門戸を広げて「多様性を尊重しつつ、協調性とリーダーシップを発揮できる」「人類未踏の地での経験を世界中の人々と共有する発信力がある」といった人材を求める。
雇用の条件も見直す。前回はJAXAに10年以上勤務できることを条件としたが、今回は任期制や複数の組織に在籍して働く「クロスアポイントメント制度」の導入を検討中だ。宇宙飛行士に応募しやすくする。
政府は米国主導の有人月探査計画「アルテミス計画」への参加を決めており、20年代後半にも日本人が初めて月に降り立つ可能性がある。新たに選ばれた飛行士は国際宇宙ステーション(ISS)の長期滞在だけでなく、月面で活動する可能性もある。
飛行士の選抜や訓練には、民間のノウハウを取り入れる方針だ。応募者の適性評価に詳しい教育・人材関連のほか、パイロットやエンジニアの育成にたけた航空・自動車関連など企業との協力を想定する。3月19日までパブリックコメント(意見公募)や企業からの提案を集める。
前回08年の募集では、ISSでの実験や観測、メンテナンス作業などのため、科学やエンジニアリングの知識や技術を持つ人材を求めた。パイロット出身の大西卓哉さんと油井亀美也さん、医師の金井宣茂さんの3人が選ばれた。
その後、こんなニュースを見て興奮が更に高まった。
NASAの火星探査機まもなく着陸
https://www.businessinsider.jp/post-229665
NASA(アメリカ航空宇宙局)の最新の火星探査機が、日本時間2月19日午前5時55分にいよいよ火星に着陸する。探査機の名前は「Perseverance(パーサヴィアランス)」。日本語にすると、「忍耐」という意味がある。
パーサヴィアランスは、2020年7月30日にフロリダから打ち上げられると、これまで約7カ月半にわたり火星への旅を続けてきた。
NASAが火星へと探査車を送り込むのは、2012年8月に火星に着陸した先輩にあたる「Curiosity(キュリオシティ)」以来、8年半ぶり(※)。そのキュリオシティも、稼働日数は既に3000日、総走行距離は24kmを超えた。
パーサヴィアランスは、その後継機に相当する探査車だ。
※2018年11月には、移動を伴わない火星着陸機「インサイト」の着陸に成功している。
「地球外生命を見つけたい」というのが、NASAが火星探査を進める本質の一つだ。
NASAは、火星探査プログラムのスローガンとして「Follow the Water(水を追え)」を掲げ、一連の探査を行ってきた。地球外生命体がいったいどのような姿をしているかは分からないが、少なくとも地球の生命を見た限り、水の存在が生命にとって欠かせない存在である可能性が高いためだ。
地球に生命が誕生したのは約40億年前。同時期の火星は、地球と同じように暖かく、水も豊富に存在していた可能性が高いことが明らかになっている。実際、キュリオシティはこれまでの探査によって、実際に水が流れていた痕跡を発見、「生命が存在できた環境」がかつての火星にあった可能性を見出した。
実際に火星に生命が存在していたことを確かめる重要な鍵になるのは、生命のもととなる「有機物」の発見だ。キュリオシティは、火星でごく微量の有機物を発見している。
ただし、生命の活動によって作られた有機物なのか、生命の存在とはまったく別のプロセスで作られた有機物なのか、現状では判断できていない。
そこで、パーサヴィアランスでは、「生命」の直接的な証拠となりうる有機物の探索を目指すとしている。
パーサヴィアランスには、レーザー光を当てるだけでそこに含まれている成分を判定できる装置が搭載されており、キュリオシティでは判別できなかった情報を知ることができる。さらに、パーサヴィアランスが火星の大地から掘り出したサンプルは、2020年代後半にNASAとESAの共同プロジェクトによって回収され、地球へと持ち帰られることになる。
火星の岩石を地球に持って帰ってくることができれば、その鉱物組成や含有物を詳しく調べ、格段に多くの情報が得られるはずだ。
多くの期待とともに火星へと着陸しようとしているパーサヴィアランス。
我々は間違いなく21世紀に生きている。