極楽浄土を作る試み

京都の神社仏閣を回っていて想うのは、昔の人は極楽浄土をつくろうとしていたのだろう、ということ。

 

現実の世界は、自然の脅威や飢餓、病(やまい)、戦(いくさ)の恐怖に苛まれ、常に死と隣り合わせであり、必然としてこの世とあの世が混在するような世界観を持っていたに違いない。

 

それでも死を恐れる本能は避けることはできず、宗教は、死への畏れを和らげる薬のような働きをしていたのではないか。

 

神社仏閣を建てるのは、権力を誇示するだけでなく、人民や社会の安寧を祈願するものであり、死生観を説き、どう生くるべきか、死んでいくべきかを真摯に伝えようとしていたと。

 

大きくて美しい建物や庭園を作るのは現実の世界ではない完璧な世界、理想の世界である「あの世」「極楽浄土」を作る試みと言えるのではないか。

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もし、その仮説が適切なのであれば、その試みは、

ほぼ成功している

と言ってよい。