工夫が全て
最近そう思うことが多い。
何かができないときに出る言い訳はこの3つに集約される。
- お金がないから(予算が足りないから)
- 時間がないから(時間が足りないから)
- 人がいないから(能力がないから)
逆に言えば、お金が有り余るほどあって、時間がたっぷり取れて、人も能力も十分に足りるプロジェクトなど存在しない。
仮にあったとしてもそんなのは面白くもなんともない。
お金が足りず、時間に制約があり、人も能力も限りがある中で取り組むのが「仕事」であり、面白さや醍醐味が隠れている。
そう。
足りないのは知恵と工夫であり、
必要なのも知恵と工夫なのだ。
それに気づき始めた企業や地方自治体が面白い取り組みをし始めた。
長年赤字経営だったJR九州は豪華寝台列車「ななつ星」が人気を博しているし(座席の抽選倍率がなんと平均33倍!)、今また100年前に計画された豪華客車を大分日田間で再現しようとしている。鉄道会社なのに養鶏場や八百屋を成功させつつあるという。
失われた20年と同じ歩みをしてきた百貨店も息を吹き返している。中国人の爆買いだけでなく、別業態と組んだり、新しいブランドを立ち上げたり、社内運動会を復活させて団結力を強めたりして業績向上に繋げている。
地方自治体も負けていない。
岐阜県にある柳ヶ瀬商店街はシャッター通りをお化け屋敷にして再生しつつあるという。かつて中部地方有数だった商店街は不況と郊外型ショッピングセンターとの競争に敗れてゴーストタウンへと変貌。それを逆手にとって新しい価値を生み出そうとしている。
小さな町を通る国道291号線は明治時代群馬と新潟をつなぐ物流の大動脈だった。他の交通網の発達とともに廃れてしまうが、道幅も狭く、誰にも使われなくなったことで手つかずの自然が残され、人気のハイキングコースになっているという。町にある土合駅は462段の階段を70メートル下って列車のホームに辿りつく「日本一のモグラ駅」。そこに観光客が集まり始めている。
そこで働いている人が言っていたことが印象的だった。
ここにあるモノをいかに利用していけるか。この地域しかない強みとしてマネされない強みとして展開していきたい。再生した自転車をレンタサイクルにしてこの辺りに豊かに残る自然をサイクリングで楽しんでもらったり、いろいろな資源をうまく組み合わせて観光に結びつけたり。負の財産も考え方を改めればそれをプラスに転じていける・・・
そう。
工夫が全て
なのだ。