盆栽と大根

盆栽と大根の共通点は何だろう?



答えは、伸びると切られるか抜かれるかすること。



「出る杭は打たれる」「長い物には巻かれろ」と同じ組織の中でいかに目立たずにいるべきかを揶揄した表現。



社会や組織が成長過程にある時は全体がよい方向に向かっている時はメリットも少なくないのかもしれないけれど、社会が成熟期を迎え、停滞感に苛まれている時にはマイナス面だけが目立ってしまう。



国家の成長戦略が見えない、企業の成長戦略が描けていない、とはよく聞く話。



今の日本や日本企業に求められているのはこの「成長」に他ならない。



にも拘わらず、成長の過程において間違いや失敗はつきものということを忘れて、「正しい形」をあまりにも意識し過ぎてそこから少しでも外れたり、周りとの調和を乱すようなことがあれば排除してしまう。それが成長の芽を摘んでいることに気がつかずに。



我々に今求められているのは、盆栽ではなく、雑草であり、大根は大根でもど根性大根なのだ。



そして、



周りの人間は、抜くのでも、水を遣るのでもなく、



ただただ我慢強く、



辛抱強く、



見守っているだけでよい。