羹に懲りて膾を吹く

 

先日来「自分アップデート」「身の丈にあった生活」と「自分への投資」について考えている。

 

「投資」という言葉を使うと自然にお金のことや資産運用について考えてしまうけれど、バブル経済が破綻をきたしてからもうすぐ30年になる。

 

羹に懲りて膾を吹く(あつものにこりてなますをふく)

 

熱い吸い物で口をやけどした者がなますのような冷たい料理にも吹いてしまう、つまり用心しなくていいものに恐怖心が拭えないために不必要なことをしてしまうこと。

 

バブル経済の破綻による後遺症を引きずっているせいか、その後の「失われた20年」で染み付いた恐怖心からなのか、日本人の資産運用のポートフォリオは世界の新7不思議の一つに数えられてもおかしくはないほど消極的だ。

 

最新の日本銀行が出している「家計の金融資産構成」(資金循環の日米欧比較 2017-08-18)によると、

 

日本人は金融資産のほぼ半分を現金預金で持っており、いわゆるリスク資産、投資に充てている額は15%に過ぎない。それに対し、アメリカ人は投資に50%、現金預金に15%弱とほぼ正反対となっており、投資に積極的なのが顕著だ。ユーロ圏はその間といったところか。

 

いずれにせよ、日本人の金融投資に対して臆病なほど消極的な姿勢が国際的にも浮き彫りになっている。

 

まさに「羹に懲りて膾を吹く」ではないか。

 

金融投資も突き詰めて考えれば、自分アップデートの一環と言える。

 

鱠(なます 酢を使った料理)は熱くない、

 

それを実体験させた上で少しずつ啓蒙していくしか方法はなさそうだ。

 

先週末にようやく21年ぶりに上がった日経平均株価への投資から始めてみるのが一番効く処方箋なのかもしれない。