もしある日突然すべての記憶を失ったら?
そんな一昔前の昼メロや韓国ドラマのような状況が実際に起こったらどうするだろう、どうなるだろう。
「記憶喪失になったぼくが見た世界」というノンフィクションを読んでハッとさせられた。
程度や症状は人によって当然異なるのだろうけれど、ドラマや映画で描かれる記憶喪失は単に過去の記憶が失われている状態が多いけれど、この本の主人公は過去の自分の記憶だけでなく人としての記憶すら失ってしまう。友人や家族の記憶だけでなく、社会的常識はおろか文字や食べ物の味すら忘れてしまい、赤ちゃんが世界を体験しながら学んでいくように学び直していく。(本人の苦労はもちろんのこと、家族の、特に母親の苦労がどれほどだったのかを考えると胸が熱くなる)
我々自身も、そこまで劇的ではないにしても視点と行動さえ変えれば風景は変えられる。毎日を冒険にすることだってできる。過去に経験したことのない場面に当惑したり、未だ置かれたことのない状況を嘆いたり、ぼやいたりするのはもったいない。
日常という冒険をどう楽しむのか、そこから何を学ぶのか、わくわくしながら生きていきたい。