優しさというオーラ

 

世の中は無表情と顰めっ面で溢れている。

 

社会が発展し、便利になればなるほど、人との交流が減っていく。

 

スマホひとつで何でもできるようになると、人と話す必要さえなくなってくる。

 

当然の帰結としてコミュニケーションが減り、笑顔も思いやりのある言葉も減ってくる。

 

先日のこと。

 

6階からエレベーターに乗り込んで2階のボタンを押すとその前に立っていた老婆が突然喋り出した。

 

「気づかなくてごめんなさいね。せめて聞けばよかったよね。気が利かないのは昔からなんだけど、いつまで経っても治んないのよね。」

 

思わずこう返した。

 

「いえいえ、普通は1階まで降りると思うので気がつかなくて当たり前ですよ。」

 

そんな些細なやりとりでもなんかほっこりした。

 

優しさというオーラを纏い、親切という武器を駆使してこの世界の片隅でも明るくしたい。