全員で12名が働いているその職場には「のり」は一本しか置かれていない。
そんな話を聞いた。
経費意識の強い運営がなされているその職場では「パンチ」(書類に穴を開ける文房具)はなぜか昔からたくさんあるにも拘わらず「のり」は一本しかない。
「のり」は決して高いものではないし、IT化の進んだ21世紀の職場とは言え、一部の業務にはまだ紙は残っているし、一人一本持っている方が効率的だと思えるにも拘らず敢えて12人で1本を共有している。
経費意識もさることながら「のり」を一本にしている最大の理由は整理整頓された職場を作るため。
使ったら元に戻す
そんな当たり前のことがなかなかできない人がいて(筆者もその一人だが(汗))、
業務効率を上げようとしても探し物に時間がかかる状態をなかなか改善できない姿を見かねた職場の長が整理整頓の癖付けのための工夫として試したのが「のり一本」だったという。
使ったら元に戻す
自分が探すだけであれば、多少時間を無駄にしても自業自得。誰にも迷惑はかからない。
それが改善を阻む原因となっていることに注目し、
使ったら元に戻す
をしないと他の人が迷惑を被るようにすることで劇的に改善されたという。
トヨタをはじめとしたメーカー(工場)の生産性の高さは世界に誇るほど。
機材の配置や組み立て効率を常に改善しようとする気持ちと行動が世界有数の効率運営を生み出すことができた。
しかし、日本人のホワイトカラーの生産性はまだまだ低いと言われている。
「のり一本」から始める効率UPにチャレンジしてみたくなった。