美術館を訪問する度に思うことがある。
それぞれの展示室にいる係員の仕事は自分にはできないということ。
まず同じ場所にずっといなければならない。
次に静かにしていなければならない。
最後に生産性が問われない。
もちろん絵を守るのは決して簡単な仕事ではないし、その本質は単に美術品を守るというより、アカデミックな世界観を護り、次の世代に引き継ぐという大切な使命であることに間違いはない。
実際、その仕事に誇りとやりがいを持って任務を全うする人たちがいて、その人たちがいるからこそ日常生活の中で芸術という非日常や贅沢を味わうことができる。
自分にできるできないという主観はどうでもよくてその仕事の意義や特性、成功の秘訣を深掘りすることでこの世界自体の多様性や深さを垣間見ることができる。
美術館の人に感謝したい。
そして、
他の仕事をしている人たちにも。