心のよすが

 

「その制服は持ってろ。軍帽もな。お前に力を与えてくれる。物ってのはな、持ち主の力が移るんだ。他人が持っていた物を身につけると持ち主の『強さ』を取り込める」

 

「偉い坊さんの言葉ですか?」

 

「俺がそう信じてる。俺は日清戦争で戦友や敵の持ち物を持ち歩いていた。とくに戦場じゃ心の『よすが』ってのが何より必要なんだよ」

 

そんなやり取りは実写版も大ヒットしているゴールデンカムイからの一節である(28巻)。

 

 

自分にとっての「心のよすが」って何だろう。

 

物に固執する方ではないものの物が持ち主の力を宿し、その強さが持ち主に力を与えるというのはなぜだか感覚的にわかる。

 

実際物持ちは良い方だし、長年使っている物には例外なく愛着が湧くし、そこに特別な力が伝わっているのもよくわかる。

 

15年前に尊敬する人からいただいた品を今も大切に使っている。

 

苦しい時にそれが「心のよすが」になっていることに今更ながら気づいた。