暗雲が立ち込める時がある。
それまでの青空がみるみるうちに灰色の雲に覆われ、光が遮断されていく。
世界は一気に暗くなり、視界が狭まり、不安感だけが心の中に充満する。
稲光が走り、轟音が耳をつんざく。
次の瞬間、バケツをひっくり返したかのように大粒の雨が降り出す。
容赦のない、無慈悲なまでの強烈な豪雨だ。
世界の終わり
そんな風に感じられるかもしれないけれど、
暗雲から絞られる水分には限りがある。
豪雨は長くは続かない。
立ち込めるのが速い暗雲は去っていくのも速い。
後に広がるのは青空だ。
暗雲が立ち込めても怖がる必要はない。