当たる予報

 

「最近の天気予報は当たるからねぇ」

 

あと2週間で卒寿を迎える母がそう言う。

 

確かに昔の天気予報は占いと同じで「当たるも八卦、当たらぬもの・・・」と言われていた。

 

それがいつの間にか科学に基づいた「予報」になり、当たる当たらないではなく、原因と結果の関係に基づいた当然の帰結になるようになった。

 

現代の天気予報は、曇の動きをはじめとした気象データを基にしたサイエンスとなり、1+1が2になるのが自明なように「そうなるもの」となっている。

 

「当たる当たらないじゃないんだよなぁ」

 

そんな野暮なことは言わないし、言うべきでもない。

 

そこから得られることもあり、失うこともある。

 

当たる天気予報がもたらすものは便利さだけではないのだ。