"Nothing matters."(何も重要ではない)
マルチバースとカンフーとファミリーとダイバーシティと税金がテーマの今年のアカデミー作品賞"Everything Everywhere all at once"を観た。
噂には聞いていたがその破茶滅茶さは想像を超えていた。
それでもその破茶滅茶さは意味あるものであり、最終的に映画のテーマを体感実感させてくれる仕掛けになっていた。
マルチバースの世界をジャンプし続けた主人公が関係性に悩んでいた娘に最後に言う。
"Nothing matters ."(重要なことなんて何もないんだよ)
字幕では「何も問題ない」と訳されていたし、誤解を招くといけないので補足すると、「(重要なことなんて何もないのだから)気にしなくていいんだよ。自分は自分でいいんだよ」と言いたかったのではないか。
謎の多い、飲み込んで消化するのに時間がかかる映画であることは間違いないけれど、それでも観終わった後には不思議な爽快感が残る。ある意味タイムトラベルをコミカルに身近に描いた"Back to the future "に似た作品と位置付けてもいいかもしれない。
仕事や人との関係性や人生が破茶滅茶になりそうだと感じたら自分にこう呟けばいい。
"Nothing matters ."(重要なことなんて何もないんだよ。だから、気楽に生きればいい。自分らしく生きていけばいい)
破茶滅茶でいいのだ。