商品としての自分

 
新商品の開発には膨大なエネルギーが要る。
 
一つの商品を世に出すためには、コンセプト作りから市場調査、戦略策定に売上予測と損益計算、試作品作りにテストマーケティング、これら全てを経た上でほんの一部の商品のみが日の目を見ることになる。
 
世に出た後もマーケットという厳しい試練に晒され、消費者に選ばれない商品は遅かれ早かれ市場から退場を余儀なくされる。
 
「終身雇用」は昭和の遺物となった。ここ最近では日本の平均転職回数も3回に迫ろうとしており、労働市場は活況を呈している。
 
人材マーケットという考え方が尚一層浸透してくれば、一人ひとりの専門分野や仕事力がダイヤグラムで表され、スペックの高低がより問われるようになるのは間違いない。
 
あたかも商品が市場で消費者から選別されるように人もまた労働市場という戦場で生き残りをかけた戦いが熾烈になってくるだろう。
 
「商品としての自分」を意識した働き方、生き方を考えなければならない世界は目の前に迫っている。