ここ数年、月末に取り組んできた月一企画
2015年 今月の映画
2014年 不識塾 課題図書
2013年 その日に備えて
2012年 月一雑誌
2011年 理想の○○
テーマを決めて、調べたり、まとめたり、自分なりの考えを述べたりしてきた。
巷で話題になっていること、後から振り返ったら2016年を象徴するような、
そんな言葉、コンセプトを探しては考えてみたい。
第一回は「21世紀型スキル」だ。
21世紀に入って15年が経った。
世の中は20世紀の大量生産、大量消費の時代からようやく新しい価値観、社会システムを獲得し始めようとしている。
大量生産、大量消費の時代は画一的な教育、知識の詰め込み、体制に従順であることが求められ、個人の価値観や個々の行動は二の次、場合によっては排除されさえしてきた。
正しい答えが決まっていて、それをどれだけ早く覚え、その通りに実行することが大切だとされていた。
世界経済が急激なグローバル化とIT化で激変しつつあり、第三の波が押し寄せている今、古い時代の教育しか受けていない人たちは溺れかけている。社会全体もまた古い体質のまま混乱をきたしている。
そんな状況を改善するために必要なのが教育であり、新しい時代にマッチした価値観やスキルの養成なのだ。
それが世界的に「21世紀型スキル」と呼ばれ始めている。
批判的思考力、問題解決能力、コミュニケーション能力、コラボレーション能力、情報リテラシーなど、次代を担う人材が身に付けるべきスキルを規定したもので、各国政府も知識重視の伝統的な教育から21世紀型スキルを養い伸ばす教育への転換に取り組み始めています。
https://kotobank.jp/word/21世紀型スキル-802364
そんな時に出合ったこれらの本がまさに"eye opening"(目からウロコ) だった。
10歳から身につく問い、考え、表現する力ー僕がイェール大で学び、教えたいこと
10歳から身につく 問い、考え、表現する力―僕がイェール大で学び、教えたいこと (NHK出版新書 439)
- 作者: 斉藤淳
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2014/07/09
- メディア: 新書
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21世紀の生き方
ビジネスパーソンの父が子どもたちに伝えたい21世紀の生き方 (DISCOVER21世紀の学校)
- 作者: 酒井穣
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2015/09/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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人生を面白くする本物の教養
要は、自分で物事を考え、まとめ、表現する力。そして、それを複数の価値観の異なる人たちと協働して何かを成し遂げる力。
そのために必要なのは、柔らかい心と頭だ。
不確実な世界、不安定のない時代、激動の時代・・・
そこに予め決まった答えはなく、
自ら創っていく必要がある。
自分なりの仮説を唱え、検証する。
試行錯誤を繰り返し、失敗にめげることなく、チャレンジし続ける。
それを厭わない精神力と忍耐力と自分を信じる力で真新しいキャンバスに好きな絵を描いていく。
何を、どう描くかも自由だ。
20世紀に大量生産された規格品ではなく、一人ひとりが異なる性格と特長(と欠点)を持った人間と同じ。
そう。
真の「21世紀型スキル」とは、
ウィキペディアで説明されるような画一されたスキルではなく、個々の人間に備わった、個々に異なる能力を開発することなのかもしれない。