目が覚めると外はまだ暗かった。
よく目を凝らして見るとほんのり明るくなり始めた頃だと気づく。朝5時過ぎだった。
日本人としては当たり前の「障子」は紙と木でできたドア。三匹の子豚の藁の家のようで何とも頼りない。
しかも、カーテンもなくて明るさを遮ることもできない・・・
なんて寝ぼけながら考えつつ二重になった部屋側の障子を開けると、
明るいではないか!
障子を二重にすることで、カーテンの役割もちゃんと果たしている!(紙と木でできた究極にエコでおしゃれな家具と言っていい!)
次に目が覚めると7時半。あっという間に朝食だ。昨日の夕食と同じ部屋に通されると、
昨夜に続いてなんと豪勢な!
自分の分でお腹いっぱい! 心もいっぱい!
その後、温泉に浸かり、
マッサージの機会でリラックスしていると、
あっという間にチェックアウトの時間になった。
「ここにずっと住みた〜い!」と言う娘の名残惜しそうな顔を見てちょっと嬉しくなる。
あいにくの大雨で当初の予定は変更を余儀なくされ、行き先も限られてしまう。
途中の朝来インターでちょっとしたお土産と地元新鮮野菜を買って、(変わりダネのネギアイスクリームは意外に美味しかった!)
やっと目的地に着くと、土砂降りは一層酷くなっていた。
生野銀山である。
800年初頭に銀が発見されてから織田、豊臣、徳川の手を経て、明治政府初の指定鉱山となり、三菱に経営を委ねられてから昭和40年代の閉山まで激動の時代が続いたという。
まさに蟻の巣!
中は一年を通して摂氏13度で肌寒い。
鉱山跡を出る直前に感じた何かは何だったのだろう。
現世に戻った頃には大雨は止んでいた。
帰途に着く。