昨日のブログの最後を「神は細部に宿る」という言葉で締め括った。
英語では、"God is in the details." と表現する。
建築やデザインの世界でよく使われる言葉はいつの間にかビジネスシーンでも活用され、企画書の作成や商品設計、プロジェクト管理、仕事の仕方全体に常套句のように繰り返される。
実際にその通りであり、それが機能し、受け入れられたからこそ、敗戦後の日本は不死鳥のように復興し、世界でも有数の経済大国になることができた。
しかし、バブル破綻後の「失われた30年」の一つの原因がここにあるとは考えられないか。
物事を細部にまで気を配り、完璧を目指すためには時間もエネルギーもかかる。
特に完成度が90%を超えると城壁の先端部分のように勾配が急になり、登り切ることが極めて困難になる。
そこに時間とエネルギーをかけるよりもより多くのものを作り、試行錯誤をし、伸ばせるものを伸ばし、生き残るものを生き残らせる。
そんな物事の進め方をしなければならなかったのではないか。
細部に宿る神は同時に全体にも存在するのだ。