ドライブ・マイ・カーを観た。
村上春樹の原作の特徴と言える喪失と再生の物語。抑え目の演出とスパイスの効いた設定で評判通りの良作に心が揺さぶられた。
劇中「細か過ぎて伝わりにくいことを伝えようとしている」という表現が出てくる。
主人公の家福とその妻、音が二人とも同じようなことをしている、という指摘である。
その言葉を聞いてこの映画自体もそうだと感じられた。
村上春樹の原作、チェーホフのワーニャ伯父さん、そして、濱口竜介監督の演出。
たとえ細か過ぎて伝わりにくいこともそこに意図と意思があれば、それは必ず存在するし、
必ず誰かに伝わる。
神は細部に宿る
その言葉を思い出した。