深い白


アンジェラ・アキの新しいアルバム「WHITE」を聴いた。


WHITE(初回生産限定盤)(DVD付)

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アルバムには「新しい始まり」というキーワードがあり、収録されている曲には今話題になっている「津軽海峡冬景色」や「Honesty」、自らのカバーである「HOME」や「モラルの葬式」がある。http://d.hatena.ne.jp/norio373/20111014 最初はどうして今になってこんなにカバー曲が多いんだろう?と思ったけれど、何度か聴くうちにその理由がわかったような気がする。



彼女の父親がよく口ずさんでいたという「津軽海峡冬景色」やBilly Joelの「Honesty」は彼女にとっての「始まりの歌」。彼女自身のデビュー曲「HOME」ももちろん「始まりの歌」。



しかし、その「新しい始まり」を表す「WHITE」は、単なる白無垢の「WHITE」ではなかったのだ。



敢えて描写するならば「深い白」とでもなるだろうか。



重みと深さを新鮮さと併せ持つ絶妙なバランスの取れた作品に仕上がっている。「深い白」の背景には経験と深さの黒が隠されているからかもしれない。



その奥行きの深さに「世界の器」を感じるのは私だけではないはず。



アルバムの最後を飾る"One family"もスケールが大きく、深い。ジョン・レノンの"Imagine"を彷彿とさせる、というのは言い過ぎだろうか。



近い将来母となり、より大きな愛と生命の神秘に触れるであろう彼女。



グラミー賞を取りたいという彼女の夢は、



多少の回り道はあるかもしれないけれど、



必ず実現する。



そう、ここで予言しようではないか。