今日は日本の独立記念日である。
そう聞くと、頭の中にはてなマークが浮かぶやもしれないが、1951年9月8日にアメリカ合衆国サンフランシスコで講和会議が開かれ、サンフランシスコ平和条約の締結によって正式に連合国による日本の占領が終わった日、
つまり、日本が連合国の支配から独立した日と言えるのだ。
第2次世界大戦で世界を敵に回して戦ったわが国日本、
連合国を相手に最後の最後まで戦い、原子爆弾を落とされ、ぼろぼろになって敗れた。
この講和会議で平和条約の調印をした国が48ヵ国に上ることを知って改めて世界を相手に戦った無謀さを思い知る。
しかも、その48カ国には、ソ連(現ロシア)も中国も入っていない。
それぞれの事情と理由があろうし、当時でなければわからない空気感も間違いなくあっただろうけれど、65年前の(とそのきっかけとなった)出来事が今の国際情勢や日本とそれぞれの国との関係を決定付けたことは間違いない。
問題は、それをどれだけ我々日本人が肌身で感じているか、腹の奥底でわかっているかだ。
一国民としては、原爆投下や無差別と言っていい全国にまたがる都市への空爆で被害者意識が残っているのは否定しないけれど、加害者としての日本人、日本という国がしたことをもっと感情抜きで冷徹な目で事実を掘り起こし、学ばなければならないと痛切に感じる。
65年前のサンフランシスコ平和条約で法的には連合国から独立を勝ち得たのだろうけれど、もしかすると精神的には本当の自分を取り戻せてはいないのかもしれない。
真の独立に向けてできることは、まず個人として、この国が何なのか、どんな道を辿ってきたのか、それを知り、整理し、確認し、学び直すことなのではないだろうか。
日本の独立記念日にふとそんなことを考えた。