「一言で言うと、どういうこと?」
その人が問う。
複数の要因が複雑に絡み合い、入り組んだ事情が対応のまずさと時間の経過で手の施しようのない状態になった経緯を説明したところ返ってきた問い。
大抵の物事にはその背景や歴史、事情があって一言で説明することは簡単ではない。
シンプルに纏めることで失われるエッセンスもある。
それでも物事を理解してもらうためには「一言で言うと」は欠かせない。
少なくとも一言で説明しようと試みることで物事の本質を考える機会となる。
複雑怪奇な事象の本質は何か? 核は何か?
それを探ることには大きな意味がある。
それを発動する質問が「一言で言うと」なのだ。