「引き受け」という言葉がビジネスの世界で使われるときがある。
尊敬する田坂広志氏が語る言葉は静かで深く、そして重い。
http://hiroshitasaka.jp/letter/7761/
深く静かな「強さ」
遠い昔、新入社員として働き始めたころ、
一人の上司が、食事に誘ってくれました。
静かなレストランで楽しく時を過ごし、
食事を終え、最後のコーヒーを飲んでいるとき、その物静かな上司が、ふと、独り言のように、語り始めました。
毎日、会社で色々な問題にぶつかって、苦労するよ。
そのときは、会社の方針に原因があると思ったり、周りの誰かに責任があると思って、腹を立てたりもするのだけれど、家に帰って、一人で静かに考えていると、いつも、一つの結論にたどり着く。
すべては、自分に原因がある。
そのことに気がつくのだね。
あれから何十年かの歳月を経て、思います。
あの上司は、自らを語る姿を通じて、
若く、未熟な一人の人間に、
大切なことを教えてくれた。
そのことの有難さを、思います。
そして、永き歳月の歩みを振り返るとき、
あの上司が教えてくれた心の姿勢が
一つの力を与えてくれたことに、気がつきます。
引き受け。
すべてを、自分自身の責任として、引き受けること。
そのとき、我々は、
深く、静かな「強さ」を身につけるのです。
引き受けない人を見て、批判的な気分になっている自分こそが引き受けない人であることに気づかされた。