先日のブログで「拡張現実の世界」という言葉を使った。(組み合せの妙)
ポケモンGOをきっかけに一気に市民権を得るのではないかと感じられる言葉の一つ。テクノロジー、インターネットの進化が様々な技術を融合し、驚異的なスピードで発展が進んでいる。
世界的なブームのポケモンGOの人気の秘密は意外にも昔からあるゲームの楽しさをベースにしていると書いたけれど(組み合せの妙)、もちろんAR(Augmented Reality)という目新しい技術が寄与している部分も少なくない。
ゲームをゲームの中だけでプレーするだけでなく、現実世界と融合(または現実世界を拡張)させてプレーすることに新鮮さを感じるのだ。
GPSと組み合わせることで街を出歩くのが運動になったり、人との出会いに繋がったり、普段全く意識していなかった町の公園や施設に隠された歴史や価値を発見して感動したり・・・
自分の住んでいる世界、現実に何があるのか、どんな歴史と意味があるのか、
どれほどの価値があるのか、
何も知らずに生きてきたことが恥ずかしいと感じるくらい新たな気づきをもたらしてくれる。(そこまで言うと持ち上げすぎだろうか?)
目には見えないポケモンがゲームの中で彼方此方に出現するが、現実に起こった実際の出来事は遥かにそれを上回る。
我々は今ここにあるモノしか見えないけれど、ARが過去や遠くの世界に存在するモノにまで拡張することで見えるようになる世界は計り知れない。
例えば、
京都の街を歩くことで、平安時代の公家や応仁の乱、本能寺の変やら幕末やらを(歴史に基づいた空想とは言え)リアルに感じることができたり(平安時代の人たちがどんな格好をして歩いていたのか、応仁の乱は町のどこから始まって、どれほどの被害をもたらしたのか、織田信長は本能寺のどこでどのように追い詰められたのか、新撰組はどう京都の治安を守っていたのか、或いは嫌われていたのか、坂本龍馬はどこでどう暗殺されたのか・・・)、部屋にいたまま世界中の名所旧跡、世界遺産を回れたり、大学のキャリアセンターやハローワークで実際の面接会場の雰囲気のまま面接官からのタフな質問に答える練習をしたり・・・
現実とシンクロして作るシチュエーションや娯楽や学習教材はそれこそ無限に考えられる。
我々の現実を何十にも重ね合わせるだけでよいのだから。
それがまさに「拡張現実(AR)」であり、
その究極の姿が、他でもない、この現実世界そのものなのかもしれない・・・
まるでマトリックスの世界のように。(今月の映画 -マトリックス-)