我々が歩んできた道

"What do we remember in November of 2008? Was it this moment? Or this?"



このセリフで始まるのはアメリカ合衆国現職大統領であるオバマ氏の再選を狙うプロモーションビデオ。



The Road We've Traveled(我々が歩んできた道)



http://www.youtube.com/watch?v=2POembdArVo&feature=relmfu



冒頭の"this moment"というのは、アメリカ史上初の黒人大統領としてだけではなく、泥沼化するイラク戦争、次から次へと起こる経済的危機の救世主との期待を背負って誕生した大統領を初めて迎えた瞬間のこと。"Or this?" は、リーマンショックによる株価大暴落のシーン。



およそ17分にまとめられたプロモーションビデオはアカデミー賞受賞歴のある監督(Davis Guggenheim)によって作られ、Tom Hanksによるナレーションが入り、「ビデオ」というよりは「映画」と呼ぶ方がふさわしい重厚な「作品」に仕上がっている。



リーマンショック、GMの倒産、泥沼化するイラク戦争医療制度改革、アルカーイダのウサーマ・ビン・ラーディンの殺害・・・この4年間に起こったこと、オバマ大統領がどう対応してきたのか、どれほどの重責を担ってきたのか、それが大統領としてだけでなく、一人の人間として、一人のアメリカ人としての視点からも描かれていて、改めて映像の持つ力を感じさせられた。(ハリウッドの力?)



個人的には諸手を上げて再選を応援するというわけではないけれど、この映像を見る限りにおいては彼に投票したくなる人が多くなるだろうという想像はつく。(実績を残しているという現職の強みはもちろんあるし、「映像の持つ力」に大きな期待を寄せたいオバマ陣営の狙いもよくわかる・・・)



YouTubeに寄せられているコメントはさすがによいものが多いけれど、その中でも下記のものが印象に残ったので掲載してみる。



This video makes me proud to be an American. Barack Obama is the greatest president in my lifetime. One hundred years from now when they are talking about these times and the near 2nd depression, two wars, health care problems and all the rest that has been going on they will point to one man that made the difference, Barack Obama.



この映像が再選を目指すために作られた「プロモーション」であることは忘れてはいけないけれど、一国のリーダーの業績がこれほど端的にまとめられ、それを国民に説明し、かつ国民(の一部)がリーダーを尊敬している姿を目にすることに羨ましさを感じる日本人は私だけではないであろう。



上記の「映画」が長過ぎる人には「予告編」もあるようだ。

http://www.youtube.com/watch?v=NXtJhLUOFXE