月一雑誌 −自遊人− - おもしろきこともなき世をおもしろく

今年の月一企画「今までに一度も買ったことのない雑誌を買ってみる」の８月号には「自遊人」を選んでみた。

パッと目に飛び込んできたのは「自遊人」という雑誌のタイトル。

ほぼ黒字の背景に白く抜かれたフォントは独自のものだろう。本来のことわざとは逆に「体は名を表している」と言えそうな自由で遊び心の漂うゆるい感じに味がある。

その下にそっと英語でサブタイトルが添えられている。

Ecological・Creative・Organic
We're designing lifestyles.

その左下には今月号の特集「一生ものと暮らそう」の文字。

表紙中央にら黒に塗られた机だろうか？に置かれた質感の高い皮でできた筆箱とノートカバーが並んでいる。その下には小さな青磁器に入った鉛筆削り。

どの出版社だろうと裏表紙を見ると「〓自遊人2012」と書かれている。独立系の出版社なのだ。俄然興味が掻き立てられる。すぐにネットで調べてみると面白そうなことをしている団体だということがわかった。

http://www.jiyujin.co.jp/

詳しくはHPに譲るが、雑誌のサブタイトルに凝縮されている。「エコで創造的で有機的な豊かなライフスタイル」を提供する会社とのこと。創業２３年が経ち、雑誌の発刊以外にも有機栽培された食材の法人個人販売も積極的に行っているようだ。

雑誌に戻ろう。

表紙をめくると見開きに広大な緑が広がっている。右下にはその緑の地中で育った健康で美味しそうな人参が並んでいる。同社が営んでいる農場で育ったにんじんを使った「無添加すりおろしにんじんジュース」の広告だ。「美味しいものを食べること、それは本物を守ること。」がそのコピー。

次のページも両面に大きな山と森が広がり手前のたんぼとの間に農家の人たち（か自遊人の人たち？）が楽しそうに、幸せそうにこちらを向いて手を振っている。「食品販売をはじめて１０年。私たちの米作りも９年目。」Organic Expressとある。

そして次のページの始まりには「創業２３年。楽しく暮らす。正しく生きる。自遊人はこんな会社です。」と書かれ、「自遊人のあゆみ」という会社の年譜が記されている。その後、新聞やラジオなどで紹介されたこと、「これからやりたいこと」が続く。

次は目次。

一生ものと暮らそう。という特集では、「この人の一生もの」ということで三谷龍二さん（木工作家）、麻生圭子さん（エッセイスト）、馬場浩史さん（「スターネット」主催）が紹介されていて、他の数名がインタビューに応えている。

一生ものと暮らそう。「使い捨て」の文化にさようなら。
歴史を刻んだ家具や古い器。
使い込むほどに手に馴染む、皮鞄や台所道具。
けして高価なもの、ということではなく、
自分にとって特別で、大事に使い続けたいもの。
それら”一生もの”に囲まれて暮らすこと、
そんな暮らしの豊かさについて、あらためて考えてみました。

そこには「一生もの」にふさわしい「もの」の数々があり、その「一生もの」を形容するための素敵な言葉が散りばめられている。

Organic handloomの革表紙のノート
スーパーナチュラルコンフォートシューズ

体に寄り添う心地いいものは
心のあり方を変え、
やがて社会も変えていきます。

”究極の一生もの”といえるのは
自分自身の体なのだから。

長く使われるものとは、
「形」以外の魅力にもあふれた、
真の定番品です。

伊万里陶苑　薬味入れ
カリモク６０　Kチェア１シーター
ホッカ６０　ハードビスケット
小泉硝子製作所　腰高シャーレ
浄法寺漆器汁椀
マルニ６０　オークフレームチェア
マーナ６０　バススツール
イームズDCW
盛永省治　ウッドボウル
コーチ・カズノリ　スツール

特集外では、

ごちそう炊き込みご飯十二箇月（「日本料理かんだ」神田裕行さんに教わりました）
ウー君、ロン君、ニッポン地カレー　どか食い旅（椎名　誠さんのエッセイ）
本当に可能？再生可能エネルギー　最先端の国々へ（太陽熱発電、風力発電などの先端国、スペインを訪ねて）
カノウユミコさんに教わる野菜料理の一週間。ほか

ページをめくっていくことが気持ちよく、楽しい雑誌だ。

会社の姿勢、地球やそこで精一杯生きている生物や動物、人間をこよなく愛していることが伝わってくる。

これからも時々買うことになりそうな一冊となった。

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