空気の景色

「空気の景色」



とは、鴨長明の『方丈記』に出てくる言葉。



景気は「気」から。経済学的に言うエクスペクテーション(期待)。それが今高まっているのは安倍首相の功績だ。



とは、竹中平蔵氏の談話。



故・速水(優)元日本銀行総裁に教わったそうだが、今の日本の「空気の景色」はどんな眺めだろう。



アベノミクスという名前がつき、パッケージが変わっただけとも言える景気刺激策ではあるが、大事なのは人々の「気」を変えること。その流れを作ること。1500兆円とも言われている個人資産が動き始めれば景気は浮上することは間違いない。しかし、シニアの財布の紐は、一部を除き、まだ堅く締められたままだ。財布の紐が緩み始めるまでこのまま「気」が上向き、流れ続けることを切に願っている。



2年前の東日本大震災を機に日本が地震の活動期に入ったという話をよく耳にする。ここ数週間でも震度5、6といった大きな地震が多発している。人々に不安が生じ、その思いが空気に溶け込んでいっているのではないか。そんな危惧をしている。



3、4月、この季節は空気が黄色に見えるほど西日本には黄砂が空を舞っている。中国の大気汚染がますますひどくなっていてPM2.5という指標すら巷にばらまかれている。



この国の「空気の景色」は決して良いとは言えない。



しかし、



見えない「空気の景色」をどう見るかは我々の気持ち/エクスペクテーション(期待)にかかっているとも言えるはず。



「空気」=「気体」は「期待」でもある。



「空気の景色」を心から楽しもうという気持ちを多くの人が持つだけで、



この国の「空気の景色」は絶景になる。