大きなショッピングモールの周りには看板(立て札)を持った人があちらこちらにいる。
いつも「たいへんそうだなあ」と思うだけだけれど、ふとしたきっかけで話しかけてみると「たいへんそうだなあ」が「たいへんだあ」に変わった。
時給は1000円。
看板を持っている最中はスマホも読書も音楽を聴くのもダメらしい。時々見回りチェックがあって、スマホをいじっていたりすると怒られたり、首になることすらあるという。
極寒の中でも立ち続けなければいけないし、トイレ休憩もなかなか取れないとのこと。
看板も最初は軽く感じられてもずっと持っているとだんだん重さがこたえるようになる。
聞けば聞くほど「たいへんですねえ」の回数が増えていった。
それでも、もし自分がその仕事をするのであればどうするだろう? どんな工夫をするだろう? と考えてみる。
- 自分の好きな車が何台通り過ぎるか数える
- 通り過ぎる車の数と時間帯の関連性を探す
- どのメーカー、車種、色が多いかを数える、傾向を見つける
- 軽自動車、普通乗用車、トラックの割合を考える
- 信号待ちをする車の台数を数える、何人乗っているかを数える
- 人が行き交うのを見て、ファッションの傾向を探る
- 通り過ぎる人たちがどこから来て、どこへ行くのか想像する
- カップルや家族を見て、どんな関係なのか、どうなっていくのか想像する
- 自分のことを考える(過去の楽しかったこと、仕事のこと、これからしたいこと、将来の計画、行きたい場所、食べたいもの、会いたい人・・・)
- お客様応対が必要な時は最大限にナイスに対応する
どんな仕事にもやりがいとしんどさがある。
立て札を持つ仕事も全く同じ。
何かとしんどさばかりに目が行きがちだけれど、
実際の自分の仕事についても考えてみるといいかもしれない。
気づかなかったやりがいを発見できるかも。
台風並みの低気圧が日本中を襲っている夜に
ふと、そんなことを考えた。