沢山な礼賛

 

いつからだろう。

 

「日本はこんなにすごい!」系な本やテレビ番組が増え始めたのは。

 

恐らく「失われた20年」を経ても克服できない不景気に自信を失くし、無力感に苛まれ、閉塞感が漂う社会を少しでも緩和しようとの試みだったのだろうけれど、ここに来て違和感が強くなってきた。(と感じるのは筆者だけ?)

 

完璧主義の傾向の強い日本や日本人は元来謙虚であり、恥ずかしがりであり、自らを礼賛するというのは「らしくない」ことの極致と言っていいほど。

 

それでも沢山の礼賛、自画自賛をしなければならなかったのはそこまで事態が深刻だったから。

 

違和感を感じ始めたのは、今回のアメリカ旅行のせいかもしれない。

 

世界は、日本が思う以上に猛スピードで成長し、進化しているにも拘らず、日本は今だに過去の栄光や実績、孤立した環境で培った独自性を自らの努力や成果として勝手に勲章を与えるようなことをしてきた。

 

世界を見よ!

 

ぬるま湯に浸かっている日本が礼賛されている場合ではない!

 

それが違和感の一番の理由だ。

 

と同時に、

 

自信を取り戻すための日本礼賛は必要なくなってきたのではないか。

 

なぜなら、

 

我々は我々の本来の価値と強さを思い出しつつあるのだから。

 

無条件の礼賛はもうたくさんだ。