神戸から東京に戻る新幹線の中で「ロッキー ・ザ・ファイナル」を観た。
何の前情報も入れずに観たらノックアウトされた。
あり得ない展開でどう急展開してどうカタをつけるのかと思いながら観続けたら結局一作目の王道をひたすら真っ直ぐ突き進み、
予想通り、
殴られ、打ちのめされ、叩きのめされた。
それでも決して諦めず、意識を飛ばされず、何度も何度も立ち上がり、最後の最後まで戦い抜いた。
愚直に、
岩のように、
巌(いわお)のように。
偉大な父の影に隠れて生きるようになってしまった息子にロッキーがかける厳しい言葉が胸に刺さった。
信じないだろうが、赤ん坊のお前をここに乗せ、持ち上げて 母さんに言った。『この子は世界一の人間になる』と。お前が成長する姿を見るのが最高に幸せだった。やがてお前は独立し自力で歩み始めた。だが、どこかで変わってしまった。人にバカにされても平気な人間になり下がった。自分のふがいなさを『影にかすむ』せいにした。
分かっているはずだ。
世の中 バラ色じゃない。厳しくてつらいところだ。油断したらどん底から抜け出せなくなる。人生ほど重いパンチはない。だが、大切なのはどんなに強く打ちのめされてもこらえて前に進み続けることだ。そうすれば勝てる。自分の価値を信じるならパンチを恐れるな。他人を指差して自分の弱さをそいつのせいにするな。それは卑怯者のすることだ。お前は違う!
たとえ何があっても俺はお前を愛し続ける。お前は俺の息子だ。人生のかけがえのない宝だ。
自分を信じなきゃ人生じゃないぞ。
愛情のこもった言葉のパンチは息子の下腹にこたえたようだ。
私の心にも。