当たった後の話

 

「当たった後の話」

 

と言っても、宝くじが当たった人の末路の話ではない。

 

「当たられた人はあなたが当たった人だと思っています」

 

JRの駅に貼ってあるポスターにそのようなことが書かれてあった。

 

東京ではぶつかってくる人がいるという話は聞いたことがあったし、新宿や池袋のような大きな駅では女性にわざとぶつかる人がいて問題になっている話も聞いていた。

 

電車から降りてプラットホームから改札階に上がるのに右側、矢印が上向きになっている正しい側を上がっている時に、電車に乗ろうとして結構多くの人がその側から降りてくる。

 

その瞬間正しい側で上がっているのをいいことにぶつかってもいいという心が芽生えた。

 

被害者になる可能性だけに想いを巡らし、それをどう避けるのかしか考えてなかったけれど、自分が加害者になることもあるのだと気づいて驚いた。

 

被害者になる方が「当たり前のこと」だったがそうではない可能性に「当たり前はない」と思った。

 

それを当たった後に後悔するよりもこうして考えることで避けられることが少し嬉しい。