思いやりに満ちた清らかな心を持つ
思いやりや慈しみの気持ちは、人の気持ちをあたたかくさせ、それがこの世の中の雰囲気までも和らげる。また、清廉潔白な心は、そのすがすがしさゆえ、後の世まで語り継がれる。
前集一七七
困難に直面しても平然としている
人格を高めたければ、以下にあげる四つの心がけが必要である。
一、 苦境に陥っても、困難に直面しても、何 事もないかのように平然と構えていること。
二、 酒の席では、羽目をはずすことなく、言動を慎むこと。
三、権力者と出会っても、媚びたりせず毅然とした態度をとること。
四、 貧しく身寄りのない人に同情し、いたわりの気持ちを持って接すること。
前集二二◯
すべてを自分の責任と考える
素直に反省できる人は、あらゆる経験や体験をすべて自分磨きの良薬にできる。一方、人に責任を転嫁してしまう人は、何の成長も得られず、だめな人間になってしまう。
謙虚に反省し、そこから学ぶことのできる人間は成長できるが、無責任で自分の言動を反省しない人間は、悪い方向へ進むばかりだ。両者の人生には、雲泥の差が生じる。
前集一四六
気持ちをゆったりさせる
時間を長いと思ったり短いと思ったりするのは、その人の考え方によるものだ。また、世間を広いと感じたり、狭いと感じたりするのも、その人の気持ちの持ち方次第である。
したがって、心がゆったりとして穏やかな人には、たったの一日でも千年のような長さに感じられるし、心の広い人は、狭い部屋でも宇宙のような広さを感じることができる。
後集一九
万物の本質は同じであると悟る
この宇宙に存在するすべての物、人間関係におけるさまざまな感情や社会の中で起こるさまざまな出来事は、一般人の視点から見れば、それぞれに異なって見える。しかし、世の中の道理を悟った達人にとっては、すべてが同じにしか見えない。
万物はみな本質的に同じであり、区別や選別をする必要はないのである。
後集八七
言葉がすーっと心に染み入ってくる。