待たずに進め、生きろ!
きみはどうしていつまでもそこで佇んでいるのか。何を待ち続けているのか。遠いところから誰がやってくるというのか。
いつ来るかわからない幸せを、そうやって呆然と立ち尽くして待っているのか。あるいはいつの日か、神や天使が現れて祝福してくれるというのか。待ち続けてさえいれば、誰かが今の苦境を奇蹟的に救ってくれると思っているのか。
しかしそれでは、きみは待ち続けるだけで人生を終えるだろう。すべきことは、きみがもう一度強く生き始めようとすることではないか。
しかも、この瞬間、そして、次の瞬間、自分なりに最大の充実をもって最高の自分を生きることではないのか。
「生成の無垢」「ツァラトゥストラによせて」
挑戦し続ける人生を
若者よ、そこそこの勝利が約束された人生を欲しがるな。安定が保証された身分を欲しがるな。若者よ、絶えず、絶えず、挑戦し続けよ。
百度もトライを重ねる人生を自分の人生とせよ。その挑戦の中では、失敗が多いだろう。成功は少ないだろう。それでもめげずにトライせよ。
失敗と成功のくり返しに満ちた挑戦の人生こそ、きみが生きているということの証明だ。
だからすべてさらけだしてあがき、挑戦の日々を送れ。
ひるまずにトライし続けたきみの人生は、他の人々を強く勇気づけるのだから。
「生成の無垢」「道徳哲学」
貧しい生き方をするな
きみは強く大胆にいきとおす人だと思っていた。
それなのに、実際はどうだ。小さなことに腹を立てたり、くよくよ悩んだりしている。
さらには、できるだけ安全に生きようとして、今では節約や平穏が美徳の一種どと考えるようになってしまっている。
そういう生き方はあまりにも貧しくはないか。
「生成の無垢」「道徳哲学」
もっともっと成長しなさい
成長しなさい。高く、高く、途中で満足などせずに、いやましに高く、もっともっと高みへと成長しなさい。
人として、生きる者として、苦難を引き受け、成長しなさい。
すると、よきものが何か眼に見えてくる。かつてはまったく自分の気に入らなかったものがいかによきものであるか、やっとわかってくる。
まずはその程度のレベルに達するまで、自分を成長させなさい。
「人間的、あまりに人間的」「さまざまな意見と箴言」
小さく生きるな
大きな人間になりたいのか。たったら、この世にはびこる小賢しい知恵を吐き棄てろ。
勤勉だの、賢さだの、安定した生活だの、効率だの、快適だの、長寿だの、最大多数の最大幸福だの、平等だの、自己満足だの、そういった小さくしか生きられない人々の欲するものを唾棄せよ。
ちまちま生きていれば、ちまちましたことが喜びや苦しみになる。そんな小市民の生活がいやだったら、この世のつまらぬ智恵、卑しく狡猾な道徳を踏みつけていけ。
その代わり、おまえには絶頂と苦難が与えられる。
「ツァラトゥストラはかく語りき」「高等な人間について」
心に再び火がついた。