ちょうど一年前にイギリスで「孤独担当大臣」が置かれ、孤独を緩和しようとする施策が話題になった。
テレビで観た特集ではその対策として街の至る所にベンチが置かれ、そこに座った人同士がたわいもない会話を始めるように促したり、パブやレストランでも特別なテーブルが設けられ、そこには見ず知らずの人が座り、会話を始めるというもの。
こんな記事も見つかった。
https://globe.asahi.com/article/13016730
世界初「孤独担当大臣」置いた英国 孤立を社会問題と見る国の取り組み
「孤独」は国を挙げて取り組む社会問題である――。そんな方針を掲げて、英国は2018年、世界で初めて「孤独担当大臣」を任命しました。欧州連合(EU)離脱の問題で政治・社会が大きく揺れ動くなかで、孤独担当相は真価を発揮できるのか。英国の現場を歩くと、日本にも共通する課題が見えてきました。(丹内敦子)
コロナ禍で加速する孤独や孤立を和らげる動きがで始めている。
先週の日本経済新聞でまさに同じ問題認識と課題整理が始まるニュースを知った。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODE192HY0Z10C21A2000000/
「孤独・孤立対策室」内閣官房に設置
少子化相「不安埋める存在に」
政府は19日、新型コロナウイルス禍で深刻さを増す孤独・孤立問題の対策室を内閣官房に設けた。自殺防止や高齢者の見守りなど関係府省にまたがる政策を束ねる司令塔になる。
内閣府や厚生労働省などの関係府省から兼務を含め31人の体制で始動する。室長には財務省出身で、厚労省で生活保護を担う社会援護担当審議官の経験がある谷内繁内閣審議官を充てた。
孤独・孤立問題を担当する坂本哲志少子化相は職員への訓示式で「不安を持っている人に親身に寄り添い、対策室が社会の不安を埋める存在になりたい」と語った。これに先立ち、自身が揮毫(きごう)した看板を対策室の入り口に掛けた。
政府は月内に支援団体を招いた緊急フォーラムを開き、課題の整理に着手する。菅義偉首相も出席する予定だ。府省横断の連絡会議も設け、関係閣僚の参加も検討する。
夏にまとめる経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針)に対策を反映し、予算の確保をめざす。
首相はコロナ禍で長引く外出自粛に伴い他人との接点が減り、社会から孤立する人が増えているとみて12日に担当閣僚を設け、坂本氏を起用した。2020年の自殺者数の11年ぶりの増加もコロナの感染拡大が影響しているとみて問題点を洗い出す。
そんな中、TED TALKSでこんなタイトルの興味深いプレゼンテーションを見た。
Robert Waldinger: 人生を幸せにするのは何? 最も長期に渡る幸福の研究から
ネタバレになるけれど、ハーバード大学で75年にも渡り研究が続けられてきた命題の答えは至ってシンプル。
親密で良い人間関係
これに尽きるのだという。
まさに孤独の反対である。
そのために何ができるのか。
何をするのか。
政府や大臣に頼るのではなく、まず自分が何をするのかを問うことから始めたいと思った。