外資系企業の人事で仕事をしていた人から聞いた話。
「あの音どうにかしてくれないか?」
依頼主は海外から日本に赴任したばかりのドイツ人。
「あの音」の正体がよく聞いてもわからず、現場に足を運んでみると、蝉の鳴き声だったという。
日本の夏に欠かせない蝉の声はドイツ人には正体不明の騒音。
蝉の鳴き声と言っても蝉がわからないらしい。
日本にとっての当たり前は必ずしも外国ではそうではない。
誰かにとっての当たり前は他の人にとってそうとは限らない。
そんなダイバーシティ(多様性)を、都会の森の中、つん裂くような蝉の声を聞きながら再認識した。