英語の"critical thinking "は「批判的思考」と訳される。
決して間違っていないし、権威や常識を鵜呑みにするのではなく、疑い、批判精神を持って考え直すことの価値は大きい。
しかしながら「批判的」という言葉が日本人の多くに飲み込みにくいさを与えているのも事実。
和を持って尊しとする日本人には他者を否定するのを良しとしないメンタリティが根強く残っていて、「批判的」という言葉にこもっているニュアンスのせいで肝心な思考の精神や手法が広がらないのがなんとも口惜しい。
そんな話をしていたときにある人が言った。
「批判的思考ではなくて、多角的思考としたらどうでしょう?」
何かがストンと落ちた。
表現を少し変えるだけで、しかもそれは本質を見事に言い表しているからこそ、受け止め方や起動の速さが全く別次元に改善する。
訳し方や言葉の使い方も多角的思考をすることで世界観が変わる典型的な事例と言える。
そんな多角的思考を身につけたい。