ジェットリー主演のHero -英雄- という映画を遅まきながら観た。
癖のある映画の作り方ではあったが、かつて見たことのないすごいアクション、美しい衣装と美術が織り成す美しい画像と深いテーマが作品を秀作に仕立て上げていた。監督は只者ではない!(ワイヤーアクションが多過ぎたのがもったいなかったが、演出とカメラワークの巧さでカバーされていた)
映画の最後まで隠されている剣の奥義が書の奥義とつながるという部分は演出的にも観念的にもあっと言わせるものがあったし、人間や愛という深いテーマを「全体のために個を犠牲にする」という極めてアジア的なHero像で描いたというのも深い!と感心させられた。にも係わらず題名を英語(Hero)にしたところに監督のHollywoodに対する「挑戦状」が感じ取れて面白かった。
果たしてアジアのHeroは欧米にどのように受け取られたのだろうか。
東日本大震災で多くの無名の英雄が生まれた日本ではどんな人物や物語をHeroとして描くのだろうか。