ラグビー日本代表が世界の強豪中の強豪である南アフリカを撃破したことは記憶に新しい。
その関係者に話を聞く機会があった。
日本代表が世界の強豪を破ることができた一番の要因を尋ねてみると回答は極々シンプルなものだった。
それが逆算の力と呼ばれるもの。
2012年にラグビー日本代表チームのヘッドコーチ(監督)に就任したエディ・ジョーンズ氏は就任した瞬間から2014年9月の南アフリカ戦にターゲットを絞り、その一戦に勝つために全ての計画を立て、選手を鍛え、鼓舞し、最終的に勝利に導いたのだという。
日本人の血が流れているニュージーランダーは日本人がハードワークに耐えられることを知っていたし、何より選手たちを信頼していた。
その土台があったとは言え、ゴールを設定し、いつまでに達成するのかを明確にした上で必要なことを書き出し、そこに辿り着くために必要なことを全てし尽くしたという。
それまでの日本のラグビー界では考えられないほどの方法であり、ハードワークであったという。
それでも遠くに輝く光がほんの少しずつでも大きくなる実感がハードワークを支え、チームワークをより強固なものにした。
参考になるのは、まずは夢を設定すること。
とんでもない夢や目標であってもそれを一旦明確に設定し、期限を設けることで逆算の力が無意識のうちにオンになる。
あとは思考と根性を総動員させて逆算の力を加速度的に上げるだけ。
ラグビーの次のワールドカップは2019年にここ日本で行われる。
エディ・ジョーンズ氏はいなくなってしまったけれど、逆算の力を発揮させて、日本代表チームが再び世界を驚かせる日を今から楽しみにしている。
我々の人生の残り時間も限られていることを頭の片隅に感じながら。