理想の回転寿司


外食産業が苦戦を強いられるようになってから十数年が経つ。



そんな厳しい戦いをもろともせず快進撃を続けているのが回転寿司業界。



この2社がその成長を支えていると言っても過言ではない。



くら寿司」と「あきんどスシロー



両社とも長年業界一位のかっぱ寿司を猛追し、ついにスシローが売上高一位の座を獲得した。



個人的にはくら寿司によく行く。



味もさることながら(もちろん一皿105円ということで)、携帯電話で予約して並ぶことなくすぐに食べられること、タッチパネルで気軽に注文ができること、30分経つと自動的に廃棄される仕組み、子供がいる家族には嬉しい5皿に1回景品の当たるゲームが楽しめたりすること、そして何より清潔感のあるお店作りができていること。当たり前のこととは言え、飲食店としては最も大事なことだ。



それでも最近少しずつスシローに行く回数が増えてきた。



以前は長い待ち時間や昔ながらのインターフォンを使っての注文でストレスを感じることが多かったし、何より衛生面で気になる点が多々あった。ところが、最近になってタッチパネルを始めとしたITの導入や衛生面の改善が顕著で、商品原価率50%という他社にはないネタへのこだわりや鮮度に関する取り組みにますます磨きがかかってきている。店内ポスターを使ってのアピールもうまくなってきたなぁと感じ始めていると、先日来テレビ東京の経済番組「ルビコンの決断」や「カンブリア宮殿」で取り上げられ、改善の裏側が紹介されるようになった。



元寿司職人の若手社長への交代と外部からの優秀な人材が正社員となり、タッグを組んで経営改革に取り組んでいるという。



カンブリア宮殿で紹介された先週末、スシローに行った。



レジで店員さんに「カンブリア宮殿で紹介されてどうですか?」と尋ねると、



「昨日もすごかったんだから。でも、私たちは忙しいだけ。でも、見応えあったでしょ?」



いかにも関西のおばちゃんの発言だ。



最後に笑顔でウインクしてくれたのが、スシローの改革が全従業員を巻き込んでいることの証だと感じた。



お腹もいっぱい、心も温かくなった。



対するくら寿司も最近まぐろのネタが大きくなったし、味もますますよくなっていると感じられる。スタッフの動きも早く、接客もいつも気持ちいい。



この2社が切磋琢磨し、これからもよりよい商品やサービスを提供していく姿を見守るのが楽しみでならない。



2社を合わせて私の「理想の回転寿司」だ。