昨日のブログでは2013年月一企画「その日に備えて ー原発が再稼働する日ー」と題して現在のエネルギー問題について考えた。
http://d.hatena.ne.jp/norio373/20130228
原子力発電を全面的に肯定する人は多くはない。
しかし、現実を視れば、当面は必要悪として頼らざるを得ないという結論になってしまう。
それでも反対派の「核のゴミ」の議論は強力であることに違いはない。
行き場のない「核のゴミ」を出し続ける原子力発電は、現代人にとって手に負えない代物であることは間違いないからだ。
では、「核のゴミ」とは何なのか?
NHK特集を参考に調べてみた。
原子力発電を動かした後にできる使用済み核燃料は現在原子力発電所にある水を張ったプールに保管されている。現在唯一稼働している福井県大飯原発のプールは7割を使用済み核燃料が占めており、このまま稼働を続けるとあと6年で限界に達すると言われている。それは他の原発でもほぼ同じ状況であるという。全国で貯蔵されている使用済み核燃料は実に17000トンにものぼるとのこと。
国によるとこの使用済み核燃料は再び燃料として利用されることになっている。天然資源の少ない日本が半世紀以上前から国策として進められている夢の「核燃料サイクル」である。
当初の計画では使用済み核燃料を再処理してプルトニウムやウランなどを取り出し、高速増殖炉と呼ばれる原子炉として再利用することを目指していた。
しかし、高速増殖炉(もんじゅ)は1995年にナトリウム漏れなどの重大事故を起こし、実用化の目処が立たなくなった。青森県六ヶ所村の再処理工場もトラブルが続き、完成予定が19回も延期され、最新の状況では今年10月の完成を目指しているのだという。
この間にも各地の原発から専用容器に詰められた使用済み核燃料が次々と運び込まれ、再処理工場の燃料プールも満杯に近づいている。原発を再稼働させた場合、使用済み核燃料が新たに発生し、いずれは保管場所がなくなり、原発の運転を続けられなくなるのだ。
更に再処理工場が本格稼働をしたとしても大きな問題が残るという。(ここからが本題の「核のゴミ」の核心である)
使用済み核燃料を再処理する際に出る高レベル放射性廃棄物(核のゴミ)である。再処理する際に出る廃液には高いレベルの放射性物質が含まれており、処分しやすくするためガラスと混ぜて固化体にする。この核のゴミは人が近づくと僅か20秒で死に至る程の強烈な放射線を出す。しかも、この放射線が安全なレベルにまで下がるには数万年もかかるという。
そのため国は核のゴミを鋼鉄製の容器に閉じ込め、地下300メートルよりも深く埋めて最終処分することを計画している。
しかし、最終処分場を10年前から探し続けているが、今だ決まっていない。
誰も「核のゴミ」をどこに捨てればいいかわからないのだ。
原子力発電を行うということは、重大な事故の可能性やいつ来るかわからない震災の影響を考えないといけないだけでなく、そこから日常的に出る廃棄物の処理方法でさえも決めぬまま進められている無謀な事業としか言いようがない。
それはあたかも義務や責任から逃げ続け、権利だけを主張する未熟な人物のよう。
核のゴミについて、もっと真剣に我々国民が考えなければならない。