「みんな自分のことしか考えてない・・・」
そう呟いた。
もっとも自分も「みんな」の一員。
忙しい現代社会において多くの人々が自分のことだけで精一杯になっている。他の人を気遣う余裕すらなくなっている。
こんな想いが頭を過ぎった。
誰かを好きになるとその人のことばかり考えるようになる。自分は二の次になる。
誰もが一度や二度は恋に落ちるけれど、
それは自分のことばかり考えず他の人のことも考えなさいよ、という神様からのメッセージなのかもしれない。
恋の病にかかったらその人のことばかり気になる、考える。
自分という存在は自己保存欲求を有し、あらゆることの中から自己を優先する。それが本能。
と同時に、我々は社会の中でしか生きていけない動物であり、そのために仕掛けられたセーフガードのようなものなのではないか。
人が恋に落ちる理由は、
案外、
ロマンティックなことでも遺伝子を残そうとするDNAのプログラムでもなく、「大いなる存在」による人間という種の保存のためなのかもしれない。
それもまた 我々が永遠に「認知されないコト」の一つではないか。
そんなことを考えた。